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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第29章 果たされぬ・・・約束

常識も恥じらいも…
ためらいもなく

知らない男の部屋で
平気で素っ裸になった少女

だけど…ずっと背を向けて
電気は消してほしい、と

そう言っていた
コイツの心理に…今さら気付いた俺





『お前…今日はどこで寝るんだ?』


『~~…』




『実家(いえ)にも…帰らねぇんだろ?』


『関係…ないじゃん…あんたに』





『~~…ま、そうだな』






確かに関係ない

このまま、ほっとけばいい



家出しようが援交しようが

平気なガキが一人、どうなろうが

俺にはなんの関係もない




むやみやたらに…首を突っ込むな

心配だの同情だのって

イタズラに手をのばすモンじゃねぇ





力になる…助けてやる

なんて

どうせ

どうせ…出来ねぇんだから




下手な正義感を振りかざして

半端に関わるとろくなことになんねぇよ

そんなのはわかりきったこと

自ら進んで…自分を滅ぼすような

バカな事をわざわざするモンじゃねぇ





何とかしてやりたい…だの

助けてやりたい

なんて…思った所で

俺には何も出来ないんだから

助けてやることなんて、出来ないんだから






最後まで……助けてやることも

守ってやることも出来なかった





それどころか…もっと最悪な

取り返しのつかない目にあわせてしまった





アイツの時のように・・・

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