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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第29章 果たされぬ・・・約束

『お前…こんなことばっかしてんのか?』





『ふん…なにそれ…説教?

顔赤くしちゃってさ・・・ダッサ』





服を着終えて、俺の言葉に
不機嫌そうに頬を膨らませるソイツ




『・・・べつに
家にも帰らず…寝床がなけりゃ

平気で知らない男と寝るのかって
そう聞いただけだ』






『~〃自分を大事にしなきゃダメだよ〃?

~〃悩んでるなら言ってごらん〃?

とかって?』






『は・・・?』






『そゆハナシ?
それならエリカ…聞きあきた

そんな事言って…男の人みんな、本音は
セックスできればいいんだもん』







『・・・』







『それ…わかっちゃったから
回りくどいことしない…

それが欲しいなら
最初から、あげちゃえばいい

エリカも…その時に必要なもの
もらえればいい

食べる物でも、寝る場所でも
それ分だけ…優しくしてくれれば』







『お前…』







『〃物々交換〃じゃん・・・ただの』







『・・・』



物々交換・・・


貞操観念もなにもない


自分を〃物〃呼ばわりした少女





きっと、まだまだ子どもなだけで




非常識で…ぶっ飛んでて

厚かましくて

プッツンで



ぶっ飛んだ事をしながら

呑気に…ニコニコ笑ってる



そんな顔が



一瞬だけ…真顔になって




ドロっと…濁った目付きをして

冷たく・・・悲しく俺を見た

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