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誰も見ないで

第14章 文化祭


「それは確かに……」
「不安、だよね」


どうしよう
こうやって一緒にご飯を食べてるのも、もしかして危ないのかな


「落ち着くまではこうやって学校で一緒にいるのやめる?」


俺の提案に瑞稀君は考えて、渋々といった感じで頷く


「……仕方ない、かな……」


すごく残念がってくれてる

嬉しい、なんて不謹慎かな


「家では一緒だから、少しぐらい我慢しよう?」


ね、と俺が呼びかけると、今度は声もなくただ頷くだけ


かわいい
かわいい


「ね、瑞稀君こっち来て」
「?」


俺は瑞稀君を立たせて出入り口のところから影になるところへと移動した

そして


「それまで充電」


座った俺の膝の上に乗せた瑞稀君をぎゅう、と抱き締める


はぁかわいい


「充電って……さっき家では一緒にいられるからって自分で……」


瑞稀君が腕の中でそんなことをボヤく


「学校での瑞稀君の充電!」


それを意味のわからない理論で押し切ると、瑞稀君は諦めて俺の背中に腕を回してくれた


瑞稀君も寂しいって思ってくれてるかな


せっかく朝から晩まで一緒にいられる関係なんだから、早く決着つけよう


正樹に対処法教わらなきゃ

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