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誰も見ないで

第14章 文化祭


経験者は語る……


そんな言葉が頭の中を過ったけど、それよりも正樹の『助言』の方が大事だ


「あの子の何がやっかいなの?」
「周りへ攻撃するタイプなんだよ……」


攻撃……?


「演劇部でも毎回主役やりたいって我儘言うくらい目立ちたがりで、とにかく自分が1番じゃないと気が済まないみたいなんだ」
「あー……」


世の中にはそう言う人結構いるよね

俺の性格的にあり得ないけど
理解はできる


「だから同じ人を好きな子なんて嫌! ってなるみたいで、俺の時は周りにいた女の子数名がイジメにあってたよ」


…………

前言撤回


よくわからなくなった


「同じ人が好きなんて、特に正樹はそもそもモテるんだから仕方なくない?」
「そんなことは俺に言われてもわからないな。でも、理論的に説かれて理解できるんだったら俺だってそうしてたって」


まぁ、そうだよね


「湊斗の周りなら……たぶん、大丈夫だと思うけど、仲良い男子にも嫉妬するみたいだから瑞稀君との距離感も気をつけた方がいいよ」



そうして『困ったら相談して』と笑顔で去って行った正樹を見送ってから屋上に行って、同じ話を瑞稀君にした

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