
誰も見ないで
第14章 文化祭
なにそれ
「普通教室のど真ん中で突然あんなこと言われたら放心状態になるでしょ」
なに
これってもしかして俺がおかしいの
「いやそうだよ。そうなんだけど、あの顔で告白され慣れてないみたいな感じが不明ってみんなが……っふふふ」
「……ふざけてるなら2度と口聞かない」
「ごめんって。だってみんなは不思議がってたけど、俺には湊斗が驚いて放心してるの想像出来たんだから仕方ないでしょ」
何が仕方ないのか
とは思ったけど、俺のことを大して知らないみんなと違って俺の焦りが想像出来たってことには何となく納得できたから俺は怒るのをやめた
「で、本当にそんなこと言いにわざわざ来たの?」
俺が怒るのをやめて呆れを滲ませながらそう聞くと、漸く笑いを抑えた正樹が「違うよ」と俺の言葉を否定する
「一応、助言しとこうと思って」
「助言?」
「そう。湊斗に告白した女の子、結構厄介だよ」
厄介、という単語にひっかかる
正樹があんまり女の子に使う単語じゃない
「実は俺も経験者なんだ」
「あの子に告白されたことがあるってこと?」
「うん。俺の時は普通に校舎裏とかだったけどね」
