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一之瀬姉弟の日常

第2章 ハチャメチャディズ

 放課後、優也は職員室にはもちろん行かない。

「優也、職員室、行かなくていいのか?」

 光汰は内心、呆れながらも注意する。

「俺は忙しいんだぁぁぁ!」

「光汰~優也」

 前から二人の女の子が走ってくる。光汰の彼女の木乃結奈(キノ ユウナ)と優也の双子の姉、一之瀬沙羅(サラ)。

「おー結奈!」

「おぉ! これが沙羅ちゃんの弟?」

 結奈は興味津々に言う。

「そうそう」

 沙羅が頷く。


「なぁ、結奈、こいつアホやで」

「なんで?」

「突然、俺は神になるとか叫び出しやがった」

 光汰は笑いながら話す。

「優也、あんまバカやらかさないでよ。担任の先生、怒ってたわよ。あんた何したの?」

 沙羅は思い出したかのように問う。

「それは内緒」

 優也は口元に指を当てて言った。

「うわ、きもっ」

 三人はうげっと吐きそうになっている。

「ひでぇ。いいもん! おれは近々神になるからっ!」

 そう言うと風のように走り去る優也。

「バカだ」

 三人は顔を見合わせ、同時に言った。

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