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一之瀬姉弟の日常

第3章 お馬鹿な双子の一日

「っ……いってぇー。ちょ、何すんだよ!?」

 沙羅は戻って来たかと思うと、優也の頭をフライパンで思い切り叩いた。

「お姉様に何を言う!?」

「お姉様と言うなら、無駄遣いすんな! 使いたいならもっと仕事をしろ! ニート!」

「あたしは学生だっ! バイトもしてるしニートじゃないわ」

「あぁ、そうだな。でもお姉様なら弟にお金をせびるなや」

「黙らっしゃい! やるか!?」

 沙羅は、フライパンを投げ捨て、フライ返しを左手から右手に持ち変えた。


「ちょいまち、沙羅姉がそれで俺が素手とか反則だから」

 沙羅はその言葉を聞き、待っていましたとばかりに部屋の扉の前からおたまを拾い、優也に投げた。当然のことながら、優也はキャッチできない。

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