
君が桜のころ
第2章 花影のひと
「…綾佳さん、入るわよ」
軽やかなノックの音…。
凪子が部屋の中に入り、綾佳の姿をいち早く認め、眼を見張る。
真珠色のシフォンタフタのアフタヌーンドレスを着た綾佳は、お伽の国のお姫様のように美しい。
髪は美しく編み込まれ、耳の横に薫り高い白い薔薇の花が飾られている。
いつもより少し濃いめに化粧された顔は華やかで眼を惹かれる美少女ぶりであった。
凪子は綾佳の手を取る。
「…とても綺麗よ、綾佳さん」
「…お義姉様…」
綾佳は美しいが儚げで心細げな顔をして、凪子に抱きつく。
「…お義姉様…。あの…お客様は…たくさんいらしているの…?」
「ええ、皆様、続々とお集まりになっているわ。ご招待した方々、皆ご出席のようよ」
凪子は緊張している綾佳の背中を優しく撫でる。
「…私、大丈夫かしら…。たくさんのお客様の前で粗相をしないかしら…」
綾佳の大きな瞳は早くも潤み、泣き出しそうである。
凪子は綾佳の肩を抱きしめ、耳元でそっと囁いた。
「…綾佳さん、緊張しないおまじないをしてあげましょうか?」
凪子のひんやりとしたジャスミンの薫りが香る。
今日の凪子はムーブ色のシフォンのアフタヌーンドレスだ。
サッシュベルトが濃い菫色で、凪子の素晴らしく美しく括れた腰周りを妖艶に強調している。
新妻らしく結い上げた髪にはアメジストの髪飾り、細く長い首筋にダイヤモンドの首飾りをさり気なく付けている。
…お義姉様…綺麗…。
綾佳はほうっと見惚れる。
「…おまじない…?」
凪子は長い睫毛で頷くように瞬きすると、綾佳の唇にそのしっとりと柔らかな紅色の唇を重ねた。
綾佳の瞳が大きく見開かれる。
「…ん…っ…」
「…大丈夫よ、綾佳さん…」
くちづけの合間に、凪子が優しく囁く。
綾佳は蜜をねだる子供のように、凪子の唇を吸い返す。
「…あ…っ…んん…」
思わぬ綾佳の甘い反撃に、凪子は掠れた声をあげた。
凪子の唇を愛しげに重ね、白く整った歯列を割る。
以前、僅かしか味わわせて貰えなかった凪子の舌を綾佳は必死に絡める。
「…んっ…あやかさ…だめ…も…いけな…」
「…お義姉様…すき…だいすき!」
凪子は綾佳の溢れんばかりの熱い思いに抗うことはできなかった。
熱情の証しのくちづけを恍惚と受け止める。
…ようやく唇を離すと、綾佳は凪子を見つめる。
「…お義姉様…愛しています…」
凪子の美しい瞳が大きく見開かれた。
軽やかなノックの音…。
凪子が部屋の中に入り、綾佳の姿をいち早く認め、眼を見張る。
真珠色のシフォンタフタのアフタヌーンドレスを着た綾佳は、お伽の国のお姫様のように美しい。
髪は美しく編み込まれ、耳の横に薫り高い白い薔薇の花が飾られている。
いつもより少し濃いめに化粧された顔は華やかで眼を惹かれる美少女ぶりであった。
凪子は綾佳の手を取る。
「…とても綺麗よ、綾佳さん」
「…お義姉様…」
綾佳は美しいが儚げで心細げな顔をして、凪子に抱きつく。
「…お義姉様…。あの…お客様は…たくさんいらしているの…?」
「ええ、皆様、続々とお集まりになっているわ。ご招待した方々、皆ご出席のようよ」
凪子は緊張している綾佳の背中を優しく撫でる。
「…私、大丈夫かしら…。たくさんのお客様の前で粗相をしないかしら…」
綾佳の大きな瞳は早くも潤み、泣き出しそうである。
凪子は綾佳の肩を抱きしめ、耳元でそっと囁いた。
「…綾佳さん、緊張しないおまじないをしてあげましょうか?」
凪子のひんやりとしたジャスミンの薫りが香る。
今日の凪子はムーブ色のシフォンのアフタヌーンドレスだ。
サッシュベルトが濃い菫色で、凪子の素晴らしく美しく括れた腰周りを妖艶に強調している。
新妻らしく結い上げた髪にはアメジストの髪飾り、細く長い首筋にダイヤモンドの首飾りをさり気なく付けている。
…お義姉様…綺麗…。
綾佳はほうっと見惚れる。
「…おまじない…?」
凪子は長い睫毛で頷くように瞬きすると、綾佳の唇にそのしっとりと柔らかな紅色の唇を重ねた。
綾佳の瞳が大きく見開かれる。
「…ん…っ…」
「…大丈夫よ、綾佳さん…」
くちづけの合間に、凪子が優しく囁く。
綾佳は蜜をねだる子供のように、凪子の唇を吸い返す。
「…あ…っ…んん…」
思わぬ綾佳の甘い反撃に、凪子は掠れた声をあげた。
凪子の唇を愛しげに重ね、白く整った歯列を割る。
以前、僅かしか味わわせて貰えなかった凪子の舌を綾佳は必死に絡める。
「…んっ…あやかさ…だめ…も…いけな…」
「…お義姉様…すき…だいすき!」
凪子は綾佳の溢れんばかりの熱い思いに抗うことはできなかった。
熱情の証しのくちづけを恍惚と受け止める。
…ようやく唇を離すと、綾佳は凪子を見つめる。
「…お義姉様…愛しています…」
凪子の美しい瞳が大きく見開かれた。
