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委員長はエッチでした

第11章 友達との一線を越えて






『ねぇねぇ、ちょっと、
あの人、素敵じゃない?』




『イケメン〜、待ち合わせかしら〜?』




『目立つわよね〜、彼女が羨まし〜』




女性の二人組が
噂している



噂されている人を見て
驚いた……




……亮が眼鏡をかけてないっ
しかも
いつもの長めな
前髪が
程良くカットされて
なんだか
お洒落な髪型になっている



それどころか
服装もお洒落で……



いったい
どうしちゃったのっ?



眼鏡を外した顔を
知ってたから
亮だって
分かったけど
クラスメイトは
絶対分からないよこれっ?



びっくりして
固まるあたしに気付いて
亮が近付いて来た。




「良かった、彩香さん、無事?
……良く考えたら、
家まで迎えに行けば
良かったって思って……
ねぇさんに言われて、こんな所まで
呼び出して、ごめんね?」




大きな噴水があって
水飛沫と
風が吹いて
さらりと亮の髪が揺れる。




「髪を切ったの?
一瞬誰か分かんなかったよ?」




「……正確に言えば無理矢理
切られたんだけど……
ねぇさん美容師免許あるから、
人の髪を切るのが得意なんだ」



少し疲れたような表情をして
振り切るように
笑ってくれた



「じゃあ、行こうか?」



当たり前のように
手を繋がれて
歩き出す。




周囲の視線が
あたし達に
集まっているのを
ひしひしと
感じた。




だって亮ってば
眼鏡を外したら
美形だし
何気にスタイルもいいし



こんなお洒落な
格好してたら
ただの
イケメンなんだもんっ、



どきどきしながら
やけに
スマートに
亮にエスコートされる。



二人で電車に
乗るのも
はじめてで
人混みから
守るように
一緒に寄り添う。



広い胸板
シャツから覗く
鎖骨のラインに
勝手にドキドキした。



回りの視線が
亮にいくのを見て
誇らしい気分になる
そうだよ
亮は最初から
素敵な人で

それにいち早く
気付いたのは
あたしだけ
だったのに……


不安……
女の子が
ちらちら亮を
見る度に

嫌な気持ちになる。

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