
僕は君を連れてゆく
第37章 背中合わせ
「なんか、イイコトありました?」
中島と昼飯にって入ったラーメン屋。
「なんで?」
別にないけど。
誕生日すら祝ってもらえないし。
「だって、なんか…なんて言っていいか…。
あっ!じゃぁ、誰からの電話待ってるんですか?」
はぁ?
「そんな顔しないで下さいよ~!
だって、ずっと携帯見てますよ?なんか、あるのかなぁ~って…思っただけですよ~」
もう、怖いなぁ。なんて言いながら麺を啜る中島。
そんなに俺、携帯見てる?
そんなことないと思うけど。
何言ってんだよ。まったく。
携帯のランプが光った。
見たら櫻井さんからメッセージが入った。
隣の中島が、ほら、やっぱり!とか何か言ってるけど気にしない。
ラーメンと餃子を食べながら櫻井さんとのメッセージの交換を楽しんだ。
昼飯が終わって社に戻って、午後からまた仕事をして。
あと一時間で終わりというところで、自動ドアが開いた。
「いらっしゃ…潤…」
少し恥ずかしそうに右手を上げた潤。
「ど、どうしたの?なんかあった?」
思わず駆け寄った。
「今日は?定時で上がれる?」
「え…あ、うん。上がれると思う…」
「そう…、じゃぁ、迎えに来るわ。」
「え?なんで?仕事は?」
「今日は半休もらったんだ。じゃぁ、また。」
潤は出ていった。
なんだ?
どうしたんだ?
急に半休なんて、仕事で何かあったのかな…
しかも、迎えに来るなんて…
緊張する。
