
僕は君を連れてゆく
第37章 背中合わせ
◆◆◆
朝、潤の腕の中で眠っていた。
ずっと、求めていた。
ずっと、抱きしめて欲しかった。
けれど。
俺は潤を起こさないようにゆっくり腕をほどいて
ベットから抜け出した。
俺の頭のなかは昨日で。
櫻井さんの腕のなかを思い出してしまう。
汗をかいて俺の誕生日を祝ってくれた。
抱きしめられたときに誕生日だけじゃなくて、
結婚記念日だったことを思い出した。
だけど、言わなかった。
言ったらこの腕のなかから出ていかないといけなくなると思ったから。
潤を思い出した。
でも、俺は目を閉じた。
だって、潤は俺にくれないんだもん。
俺の欲しいものくれないんだもん。
だから、今だけ。
この瞬間だけ。
甘えさせて。
これくらい。
ただ、
抱き合うだけ。
顔を洗って、歯を磨いて。
着替えて家を出た。
携帯に登録したID。
櫻井さんの。
開いたらメッセージが届いていた。
朝の挨拶と、誕生日への改めてのお祝いの言葉。
それだけなのに。
「なんて、返そう…おはよ。だけじゃな…うーん…どうしようかなぁ。」
ずっと、静かだった俺の携帯。
朝の挨拶とお礼のメッセージを返した。
そうしたら、すぐ、既読がついて、お辞儀する犬のスタンプが届いた。
「早っ!犬ちゃん、可愛い。」
メッセージのやり取りをこんなに楽しむことが
出来るなんて。
ケーキ。
落としちゃったケーキはぐしゃぐしゃだったけど
食べれなくないからって公園で二人で少しだけ食べた。
指で白いクリームを掬って舐めた。
甘くて、優しい味。
櫻井さんみたいだなって。
残りを持って帰ってきて一人で食べた。
一人で食べるケーキ。
美味しかった。
まさか、それを潤がそんな風に感じてるなんて。
思いもしなかった。
朝、潤の腕の中で眠っていた。
ずっと、求めていた。
ずっと、抱きしめて欲しかった。
けれど。
俺は潤を起こさないようにゆっくり腕をほどいて
ベットから抜け出した。
俺の頭のなかは昨日で。
櫻井さんの腕のなかを思い出してしまう。
汗をかいて俺の誕生日を祝ってくれた。
抱きしめられたときに誕生日だけじゃなくて、
結婚記念日だったことを思い出した。
だけど、言わなかった。
言ったらこの腕のなかから出ていかないといけなくなると思ったから。
潤を思い出した。
でも、俺は目を閉じた。
だって、潤は俺にくれないんだもん。
俺の欲しいものくれないんだもん。
だから、今だけ。
この瞬間だけ。
甘えさせて。
これくらい。
ただ、
抱き合うだけ。
顔を洗って、歯を磨いて。
着替えて家を出た。
携帯に登録したID。
櫻井さんの。
開いたらメッセージが届いていた。
朝の挨拶と、誕生日への改めてのお祝いの言葉。
それだけなのに。
「なんて、返そう…おはよ。だけじゃな…うーん…どうしようかなぁ。」
ずっと、静かだった俺の携帯。
朝の挨拶とお礼のメッセージを返した。
そうしたら、すぐ、既読がついて、お辞儀する犬のスタンプが届いた。
「早っ!犬ちゃん、可愛い。」
メッセージのやり取りをこんなに楽しむことが
出来るなんて。
ケーキ。
落としちゃったケーキはぐしゃぐしゃだったけど
食べれなくないからって公園で二人で少しだけ食べた。
指で白いクリームを掬って舐めた。
甘くて、優しい味。
櫻井さんみたいだなって。
残りを持って帰ってきて一人で食べた。
一人で食べるケーキ。
美味しかった。
まさか、それを潤がそんな風に感じてるなんて。
思いもしなかった。
