
僕は君を連れてゆく
第28章 ハンプ
◇N Said
「別に宿題なんてみてもらわなくてもいいけど」
ソイツはテレビの前にあぐらをかいて座った。
勝手にテレビをつけた。
扇風機を着けて、うちわであおいでいる。
確かに本当に暑い。
コップに麦茶を注いで飲んだ。
「おじさんにもくれるかい?」
俺は新しいコップをだして麦茶を入れてだした。
「帰れよ…母さん、夜中になんなきゃ帰ってこないんだからさ…」
「和也くん、毎日、どこに行ってるの?」
テレビではお笑い番組の再放送が流れていて、芸人が漫才を披露している。
「毎日って?」
「俺たちが帰ってきたらいなくなるじゃん。なんで?」
「…別に…」
俺に背を向けていたのに、立ち上がった。
目があった。
なんとなく、身の危険。
俺はソイツが怖い。
玄関を開けたときもそうだ。いつも、俺のことを頭の先から足先までをゆっくりと、見るんだ。
何を考えてるのかわかんない。
ただ、怖い。
「和也くん。細いね。ちゃんと、食べてる?おじさんが買ってきたの食べてくれてる?」
ジリジリと俺にすり寄ってくる。
呼吸が荒い。
右側はシンク、左側は冷蔵庫。背中はガスコンロ。
逃げ道がなくなった。
「なんだよっ…」
「おじさんね、和也くんのお父さんに少し迷惑かけられちゃっててね…お金、貸してるんだけど返ってこないんだよ。お母さんもずいぶん、頑張ってくれてるけど…足りないんだよ。」
だから、なんだよ。
父さんのことなんて知らねぇよ。
「おじさんの言うことを少し我慢してきいてくれるだけでいいんだよ。」
少し
我慢
「服、脱いでごらん。」
俺は体が固まって動かない。
怖い。
誰か、助けて!!!
「別に宿題なんてみてもらわなくてもいいけど」
ソイツはテレビの前にあぐらをかいて座った。
勝手にテレビをつけた。
扇風機を着けて、うちわであおいでいる。
確かに本当に暑い。
コップに麦茶を注いで飲んだ。
「おじさんにもくれるかい?」
俺は新しいコップをだして麦茶を入れてだした。
「帰れよ…母さん、夜中になんなきゃ帰ってこないんだからさ…」
「和也くん、毎日、どこに行ってるの?」
テレビではお笑い番組の再放送が流れていて、芸人が漫才を披露している。
「毎日って?」
「俺たちが帰ってきたらいなくなるじゃん。なんで?」
「…別に…」
俺に背を向けていたのに、立ち上がった。
目があった。
なんとなく、身の危険。
俺はソイツが怖い。
玄関を開けたときもそうだ。いつも、俺のことを頭の先から足先までをゆっくりと、見るんだ。
何を考えてるのかわかんない。
ただ、怖い。
「和也くん。細いね。ちゃんと、食べてる?おじさんが買ってきたの食べてくれてる?」
ジリジリと俺にすり寄ってくる。
呼吸が荒い。
右側はシンク、左側は冷蔵庫。背中はガスコンロ。
逃げ道がなくなった。
「なんだよっ…」
「おじさんね、和也くんのお父さんに少し迷惑かけられちゃっててね…お金、貸してるんだけど返ってこないんだよ。お母さんもずいぶん、頑張ってくれてるけど…足りないんだよ。」
だから、なんだよ。
父さんのことなんて知らねぇよ。
「おじさんの言うことを少し我慢してきいてくれるだけでいいんだよ。」
少し
我慢
「服、脱いでごらん。」
俺は体が固まって動かない。
怖い。
誰か、助けて!!!
