テキストサイズ

風俗課に配属されました

第110章 椎名理佳の事情④

自ずと涙が頬を伝う。

「理佳と一緒に居たい。それだけ」

私も……斗真と一緒に居たいだけ。

たったそれだけのことでも
今の私には一大事で
他の何よりも大切な時間なんだ。

失いたくない。

斗真と一緒に過ごす時間を。

「壊さないで……お願い……」

この時間を……大切な宝物を。

「分かってる」

頬を伝う涙を斗真が拭う。

再び唇が重なろうとして……

目を閉じる。

『♪~』

私のスマホが鳴った。

「いっつもいいところで邪魔されるな」

斗真と私らしくて……笑った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ