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風俗課に配属されました

第110章 椎名理佳の事情④

斗真と再会して同僚になっても
不信感は拭えずにいた。

しかし接しているうちに
斗真の良いところが見え始め
目を反らさずに受け入れ
気付いた頃には惹かれていた。

ずっと抱き続けていた
憎しみや許せない想いより
好きという感情が勝ってしまった。

斗真を行き交っていた女性たちは
きっと、こんな私を嘲笑うだろう。

同情すら、されるかもしれない。

それでも……好きなんだ。

最低なのは私も一緒。

私は智也を見限ったんだから。

そういう意味では私の方が
卑劣で最悪な人間なんだ。

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