テキストサイズ

風俗課に配属されました

第77章 カノジョのふりを頼まれました②

「千尋。帰ると言ったのが聞こえん
かったか?」

父親に促されても千尋さんは
頑なに帰ろうとはせず俯いていた。

「……龍聖さんに話があって」

か細く弱々しい声。

「勝手にしろ。先に帰るぞ」

御両親がこの場を離れると
鬼塚主任と私は立ち上がり
姿が見えなくなるまで
深々と御辞儀をしていた。

再び着席すると鬼塚主任が
私の手を握った。

「悪かったな、千尋。こういう訳だ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ