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知らない世界

第39章 終息

「すみません、お待たせして」

「ケガされてるなら、部屋までお迎えに上がりましたのに・・・あれっ?君は確か・・・」

「運転手さんとどこかでお会いしてますか?
あっ、ありがとうございます」


後ろの席に座らせてくれた。
行き先を告げると、また話しかけられた。


「君は一昨日、人相の悪い人達に連れ去られた子だよね?」

「もしかして、あのときの運転手さんですか?」

「そうだよ。
連中に脅されたけど、君が連絡してくれって降りる間際に言ったから番号調べてかけたんだよ。
無事だったんだね・・・よかった」

「運転手さんが連絡してくれたんですね。
ありがとうございました、助かりました」


この人のお陰で助かった。
またこの人の車に乗るなんて、なんて偶然なんだろう。


「はい、着いたよ」

「ありがとうございました。
僕この店でバイトしてるんです。
ケガが治るまでお休みしますけど、大将の料理凄くうまいんで、お休みの日とかよかったら来てください」

「一度寄せてもらうよ。
君もしばらく移動が大変だろうから、いつでも呼んでくれていいからね。
これ、名刺」

「ありがとうございます」


店の中まで連れていってくれた。


「大将」

「潤、大丈夫か?」

「はい、いろいろ迷惑かけてすみませんでした」

「それじゃあ・・・」


運転手さんは帰っていった。


「大将、大丈夫ですか?」

「これくらいたいしたことないよ」

「お店、開けられない・・・ですよね」

「まぁ、いい骨休めになるよ。
ところでどうしたんだ?」

「ちょっと相談があって・・・」

「何だ?俺にできることなら・・・言ってみろ」

「俺・・・学校辞めようと思ってるんです」



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