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しばらくして先生もやって来た。


「先生、神崎さんの手が動いた」

「わかった、待ってろ」


俺達は部屋を出た。
数分後、先生が出てきた。


「先生、神崎さんは？」

「まだ油断はできないけど、何とかとうげは超したよ」

「本当ですか？」

「長い時間は駄目だけど、少しなら話せるぞ」


もう一度中に入った。


「潤・・・大野の兄貴」

「よかった神崎さん。
ありがとうございました。本当にごめんなさい」

「何言ってんだよ。
俺の方こそ、お前に痛い思いをさせて、すまなかったな」

「こんなの平気ですよ」

「兄貴もすみません、わざわざ来ていただいて」

「何を言ってるんだ。
お前に嫌な役やらせて、すまなかったな」

「全然・・・」

「潤、病室に戻ろう。
しっかり治して、組に戻ってこい。待ってるぞ」

「ありがとう・・・ございます」

「きんぴらごぼう作って待ってますよ」


病室に戻り、ベッドに入った。


「大野さん、神崎さんもとうげこしたし、俺明日退院します」

「・・・わかった、明日うちのもの来させるよ」

「大野さん、１つ聞きたいことがあるんですけどいいですか？」

「何だ、言ってみろ」

「俺、昨日の事思い出せたけど、１つだけ思いだせくて・・・」

「もう終わったこと、無理に思い出さなくてもいいじゃねぇか」

「あのぉ・・・名張の若頭、どうなりました？
そこだけがどうしても思いだせ・・」

「もういい！
終ったんだ！全て終ったんだ！
もう２度と名張に襲われることはないから。
お前も、俺達も・・・
だから全て忘れるんだ、いいな？」

「はっ、はい・・・」


何を隠してるんだろう。