
Best name ~ 追憶 ~
第1章 私の記憶
気づきたくなかった。
認めたくなかった。
そんな私の心の内が
こうして体の異変となって表れていた。
男の人が恐い……。
体に触れられることはおろか
手が触れることも…
話すことも……
目を合わせることさえ
恐くてたまらなくなっていた。
私に乱暴した人達を思い興させる
笑い声や
似た風貌の人はもちろん…
なんの非もない
まったく関係のない男の人に対しても……
若い……男の人を
体が全面で
拒絶するようになってしまっていた。
『ハァ…ハァ………コワイ』
『……。…うん』
ソウタさんは、ただ「うん」とだけ言って
何も言及しなかった。
それは…
〃知っていたよ〃
と言うことなのだろうか…それとも…。
黙って私のひきつけが収まるのを
待ってくれていた。
『アイル~?ちと出掛けんぞぉ?』
家に帰って私を休ませて
しばらくすると、ソウタさんは
私を起き上がらせた。
『ぇ…』
『医者にいくぞォ』
……病院…。
『……べつに…平気です』
体は……どこも悪くない。
『お前ちぃと疲れてっかんな。
具合ワリィ時は、早めに医者に行くモンだ』
『…いい……平気。……イヤ』
問答無用と言うように担ぎ上げられて
車に放り込まれる。
ソウタさんに連れられて向かった先は…
心療内科…。
つまり……精神科…。
こわかった。
こわい……イヤだ…。
逃げたい。
イヤなことを根掘り葉掘り聞かれるのかな…
なんて
一人、恐がっていた。
けれど実際は、そんな事はなかった。
いかにも病院、といった感じのない空間。
医師も白衣を着ていない
気さくな感じを醸していた。
ソウタさんは敢えてか同席せず
私一人で診察を受けた。
カウンセリングというのだろうか
心理テストみたいなものや
普通にお話するだけ、といったこと
私の……イヤなことを
聞かれたりはしなかった。
後からソウタさんが
医師と話をしているようだったけれど…。
心が落ち着くように
ひきつけが起きにくいように
私は薬を処方された。
認めたくなかった。
そんな私の心の内が
こうして体の異変となって表れていた。
男の人が恐い……。
体に触れられることはおろか
手が触れることも…
話すことも……
目を合わせることさえ
恐くてたまらなくなっていた。
私に乱暴した人達を思い興させる
笑い声や
似た風貌の人はもちろん…
なんの非もない
まったく関係のない男の人に対しても……
若い……男の人を
体が全面で
拒絶するようになってしまっていた。
『ハァ…ハァ………コワイ』
『……。…うん』
ソウタさんは、ただ「うん」とだけ言って
何も言及しなかった。
それは…
〃知っていたよ〃
と言うことなのだろうか…それとも…。
黙って私のひきつけが収まるのを
待ってくれていた。
『アイル~?ちと出掛けんぞぉ?』
家に帰って私を休ませて
しばらくすると、ソウタさんは
私を起き上がらせた。
『ぇ…』
『医者にいくぞォ』
……病院…。
『……べつに…平気です』
体は……どこも悪くない。
『お前ちぃと疲れてっかんな。
具合ワリィ時は、早めに医者に行くモンだ』
『…いい……平気。……イヤ』
問答無用と言うように担ぎ上げられて
車に放り込まれる。
ソウタさんに連れられて向かった先は…
心療内科…。
つまり……精神科…。
こわかった。
こわい……イヤだ…。
逃げたい。
イヤなことを根掘り葉掘り聞かれるのかな…
なんて
一人、恐がっていた。
けれど実際は、そんな事はなかった。
いかにも病院、といった感じのない空間。
医師も白衣を着ていない
気さくな感じを醸していた。
ソウタさんは敢えてか同席せず
私一人で診察を受けた。
カウンセリングというのだろうか
心理テストみたいなものや
普通にお話するだけ、といったこと
私の……イヤなことを
聞かれたりはしなかった。
後からソウタさんが
医師と話をしているようだったけれど…。
心が落ち着くように
ひきつけが起きにくいように
私は薬を処方された。
