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Best name ~ 追憶 ~

第1章 私の記憶

『ごめんなさい…』


迷惑かけて、ごめんなさい。



気まずさと申し訳なさでいっぱいだった。




『あ~?一々気にするなってオマエ~…
言ってんだろォがぁ…』



車を運転するソウタさんが
あっけらかんと答える。









おかしな異変が起こり始めた私は


さらには
こんなことも……










『~アイル?…おい……アイル~…』

『……』





聞こえて……いる。



だけど黙っている私…。



このころ…また変なキモチが芽生える。

底知れない嫌悪感。





『…アイル…なんだオマエ…。
そんな…~ムッとして…
聞こえてんなら返事くらいしろぉ?』


『……』





『おい…アイル、いい加減にしろ?
なんだその態度は……んん!?

オメェ、口がついてんだ!
言いてぇコトはな、ちゃんと口で言え!!』



『ちょっと…ソータさん?』


語気を強めたソウタさんに
マナさんが駆けてきて私を庇う。


『だまってねぇーで!
何とか言ったらどーだアイル!!

おマエっ…返事もできねーのか!?
コラぁ!!…アイルっ!!?』



『ソータさんっ!…ちょっ…落ち着いてっ…』





『…ライ…。………キライ』




『ぁん?!』

『?』





『ナマエ…キライ。
こんな名前…っ……キライっ…』






『なにぃっ?!
おいっ…オマっ……~アイルっ!!!』



『……っっ』





訳がわからない……当然であろう。




子どものワガママの方が
よほど大人、と言うような

私のワケのわからない主張。




ソウタさんに初めてした反発。







私は謝りもせずに
背を向けて裏手ににげた。




…仕事中だというのに。





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