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Best name ~ 追憶 ~

第1章 私の記憶

そしてこの時

私はもうひとつ

ソウタさんの深い想いを知る。




『ここは、オマエの場所だ。
お前も…俺も、マナミも
ここから、3人でやり直すんだ…!』



『~~っ…』



亡き祖父の…


大好きな、おじいちゃんの信念を


その意志を


受け継いでくれる人がいた。





ここから〃再スタート〃と言ってくれた
ソウタさん。

ソウタさんの建てたこの病院は…
見渡せば、どこか
どことなく祖父のいた
あの病院に似た造りをしていて

自宅に直結している点も含め…ソックリだった。


嬉しかった。


またひとつ…またひとつと


恩がたまっていく…。


私の中に
あたたかい、大切なものとして。




涙が目に浮かんでしまった私を
マナさんが、ぎゅっと抱きしめてくれた。




『ホ~~ラぁ~…今から仕事だゾォ~?
泣いてるのはダ~レだぁ~~?♪』



『…ぅ…マナ……ひゃぁん…っ』



やさしい…女の人の匂いのする腕の中…。


そう言うマナさんも少し涙声で…


やさしいその手のぬくもりは
こんな私を、どこか労うような…
〃オカエリ〃と言ってくれてるような
あたたかいぬくもりだった。





『へっぴり腰でいると
ガンガンしごき抜くわよアイル~~!?(笑)』



『ぅ…ゎ…っ、は……はいっ…』



『『ハハハハハ~~!!!』』




『……。ソウタさん…マナさん
これから、宜しくお願いします』



私は改めて2人に

深く……深く、一礼した。






私の新しい家族ができた……そんな日。

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