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Best name ~ 追憶 ~

第1章 私の記憶

『ブハっっ…!?
……んな!?オマ…オマエッ!?
ナンだぁ~~!?そりゃよォ~~!?

ったく、コドモらしさもねぇ~…
って…いや、コドモじゃねぇか…?

~~俺ぁ~…
まだ40(シジュウ)にもなってねぇぞ
バカヤロ、オマエ~…

んな年寄扱いかぁ?!
ちと早ぇーだろォ、アイルぅ~!』







『……ぅん』






ポロっ……




私の目から
堪えてた涙が一粒だけ落ちる。


泣いてるのを見られたくなくて
慌てて目を擦った。


そんな私を察するように
ソウタさんが背を向けた

ボリボリと頭をかいて。


『~~ったく……
~よく聞く話だけどよォ…
年頃の娘ってぇのは、気ムズカシくて
かなわねェなぁ~…』





『っく…でも……
そうであってほしい……の。

ソウタさんに…〃親孝行〃したいから……』





『~~~』





〃まいったまいった〃
とでも言ってるような
ソウタさんの大きな背中…

耳を赤くしているソウタさん。





困らせようと思ったわけでも
からかおうと思ったわけでも何でもない。


私の本当の気持ちだった。



ただただ心から
そのまま出た私の本音だった。




この人の気持ちだけは……裏切りたくない。




しっかりと自分の足で立って…
しっかりと生きて



いつか…ソウタさんの役に立ちたい。



ソウタさんが何か困った事がある時は
私に出来ること、何でもやりたい。


ソウタさんを助けたい…
この人に……恩返しがしたい。




それを叶えられる時間を…



そのための時間を
少しでも……一秒でも長く…多く
私にください。




そんな思いが芽生えた故の言葉だった。





〃ありがとう…ありがとう ソウタさん…〃







夢も希望もなくした

そんな私に初めて芽生えた




新たな
密かな〃私の夢〃の始まりだった。


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