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Best name ~ 追憶 ~

第1章 私の記憶

『あとは……
〃約束〃してたから…だぁな…』


『約束…?』









『~お前の…
じぃさんと約束してたからなァ…。

っつっても俺が~…勝手に……した
〃約束〃だけどなぁ…。

お前のじぃさんが死んだ時にな…』




『え…』






『お前の…アイルの、これからの人生に
困難や何かがあった時……俺は
全力で〃必ず愛留の力になる〃って
約束してたからだぁな…』




『……』





絶句……。




思いもよらぬ言葉に……


呆然としていた私は
ひたすらまばたきをして
ソウタさんを見ていた。


照れ隠しするのかと思ったけれど
ソウタさんは真面目な口調で続けた。







『俺は…ナァ…あの人に……
返し切れねーくらい恩があってナァ…

まだちっとも返せねぇーうちに…
死に別れちまったからなぁ……

オマエにとっちゃ
ヨケーなオセワってヤツだろォけどなぁ…

死んだ院長には何も出来ねぇ…返せねぇ

なら……生きてる
これから先、ずっと生きてくお前に
何か出来たらナァ…って。

~だから、アイル~…俺ぁ
〃じぃちゃんの代わり〃だ……!

俺に、そうかしこまったり
遠慮するんじゃねーゾォ?いいか?』







『そ…ぉたさん……』



涙を堪えるのが限界に近かった。



ソウタさんの……思い。



やさしくて深くて……つよい
ソウタさんの思い。






『だぁ~……オマエ~…
なんつー顔してやがる!
…~なんだァ…ブツブツと…

言いてぇことは言いやがれ?
食いたいモンでも…行きてぇートコでも
何でもいい!

俺に言ってみろ!…ホラ~…』






照れて、やけくそするソウタさんに戻る。


そんなソウタさんに私は……














『…ん。うん……。
ソウタさんが……長生きしてほしい』








思ったことを
そのまま口にした。

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