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Best name ~ 追憶 ~

第1章 私の記憶

『ソウタさん…食事……次から私が作る』



『ん?~…あ~…なら当番制にしよう!
メニューも豊富んなって良さそうだぁな!?
お前、料理得意みてーだしなっ』





『……でも、…。

私、住まわせてもらうのに

家事くらいやっても……当然かな…って』





『フゥ~…ったく、オマエは~アイル…
生真面目でしょーがねぇナァっ!ハハハっ!!

ハァ…~お前の養育の事とかはナァ
最低ハタチまでは、って事で

お前の父さん母さんと俺の方で
キッチリ話もしてあるし、まとまってる。

お前が気にする事も
不安がる事もない・・・本当だ』





『……う…ん』






『お前の両親は~…仕事の立場も
色々ムズカシイだろ…。

あ~…アレだ。…わかってやれ…
じゃねぇけどな

お前に…なんも言わねえで決めちまったのぁ
ワリかったけどな…。

お前にしてみりゃ…
イキナリ知らねぇウチがお前の家だ

赤の他人がお前の親だ~なんて言われたら
そりゃぁアレだろーけどよ』






『そんな…ことっ・・・』







そんなこと…あるワケが


私が・・・思うワケがない。





どんな気持ちで

どんな想いでソウタさんが
私に手を差し伸べてくれていることか…

思うだけで涙が溢れそうになる。






〃お前は親に捨てられたから〃



と、言ってくれたって




〃行き場がないんだから〃



と言われたって良かった




そう言われても
なんの異論もなかったのに


私を気遣い、私の親を気遣い
この人は……どうしてソウタさんは…。







『ソウタさん……どうして?』



『やかましぃ~なァにオマエぁ…

~ちったぁコドモらしく
してやがれってぇんだ!

~あ…~コドモって程
子どもじゃぁねぇかぁ!?

ハハハハハっ!』






ソウタさんが大きな手で
私の頭をワシワシと撫でる。




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