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Best name ~ 追憶 ~

第1章 私の記憶

キッチンに入ってソウタさんが手際よく
豪快に男の料理をする。





『どうだっ?!美味いか?』

『…はい』




『バカヤロ~オマエ~♪

一々硬くなるな~!』






『…うん。あ…の…ソウタさん』





『ん~?なんだぁ?』






『…なるべく…早く……出ていきます

迷惑…かけないようにします。

それまで……お世話に…なります』





親切にしてくれるからといって

当たり前のように
甘えるのは違うと思った私は

ソウタさんをみてそう言った。





『ほぉ~~…モグモグ…そうかぁ…

…どーすんだ?そんで~…』





『…働いて……住むところみつけて…』







働く……。








前科…


公式には、そうならない…らしいけれど
本当のところは、詳しく知らない




表向きではわからなくとも
犯罪歴のついた私が…
それも中卒の私…。




当然、高校も退学となっていた私は
高校中退、中卒という学歴だ。





働くこと自体……出来るのだろうか




不安だらけの頭の中




私の言ってることは

口から出任せのような

絵空事のようだった。






『ふぅん…いいじゃねぇか

好きにしろ~?

お前の人生だ。…』






『……う…ん』





ソウタさんに言ったコトを

瞬時に後悔していた。




完全に・・・不安になっていた。





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