
Best name ~ 追憶 ~
第5章 あの人に…お似合いの女の子
『遅くなっちゃってごめんね…』
気まずくなるのがイヤで
それと言ったリアクションのない
彼の隣に、私はなに食わぬ顔で座った
『クス・・・中々似合ってんじゃん?(笑)』
少し笑いながら
小声で私に言う彼…
あきれてる?
どころか・・・ドン引きしてる?
『でも・・・~』
『・・・?』
デモ?…なに?
『ボソ・・・〃おとーさんは心配性〃
だからな?(笑)
少しだけ、大人しくしとけ・・・(笑)』
チラ・・・っと
リョウキは
向かいにいる…なんとも
目のやり場に困っている(?)
ソウタさんに一瞬視線を送って
お座敷で正座していた私の
短いスカートの上に
さりげなく自分の羽織っていた
シャツをかけてくれた
〃あ・・・〃
『ぅ…ぁ…ありがと・・・』
『ふふ…っ』
マナさんの気遣いもむなしく
なんだか結局
残念な感じの私・・・
人のせいじゃ…ないんだ
私が・・・まだまだなだけなんだ
わかっていた・・・ことなんだ
『おつかれっした~』
『また来週~♪』
解散の後
私はリョウキにくっついて
いつものように
彼の家へと一緒に向かう
今日はこのまま…外泊です
・・・この出で立ちだけれど(苦笑)
大人っぽい…と言えば
大人っぽいかもしれない
しっかりメイクにオシャレな服
だけど
おちついた大人な雰囲気のリョウキに並ぶ
キラッキラ・・・ギラギラの
ギャル姿の私・・・
彼にお似合いの彼女…ではないかな
やっぱり
それでも、とりわけ何も言わない
相変わらずやさしくて
ちょっと鈍感(?)な彼は
驚きもしない…叱りもしない
・・・って、だから私
なにを言ってるのかな
そんなのって…ただの〃かまってちゃん〃
恥ずかしい・・・
結局恥ずかしい・・・私
一々落ち込んでたり
時にカリカリして彼に当たったり
そんな私は・・・なにがそんなに
私が・・・心のどこかで思っていたこと
彼は…そんなに
〃私に関心がない〃のかな・・・?
なんてこと・・・?
