テキストサイズ

Best name ~ 追憶 ~

第2章 私の希望

食事をしながら、しばらく会話をした。


……と言っても

彼が話してくれること、聞いてくることに
私は、yes・noと言っていたくらいだけど。







『アイルって呼んでいい?』






・・・いやだ・・。その・・・ナマエ。





チョット・・イタズラっぽい顔した彼。




〃ヘンなナマエ〃って思ってるクセに・・・。






答えない私に


『じゃぁ アイ は?』




・・・べつに・・・というか

年上なんだし

一々断らなくっても・・・

呼び捨てにすればいいんじゃ・・・。





などと思ってる私の前に…


たくさんロウソクのついた……小さなケーキ…。




・・・?








〃注文してません〃…と

断ろうとした私をよそに





『それじゃアイ、お祝いしようか?♪』




・・・?




お祝い・・・?





・・・・・。







今日は私の22回目の誕生日だった……







すっかり……自分の誕生日なんて
何年も忘れていた。




大きな手で控えめに拍手をして
「おめでとう」を言ってくれた彼。






まさか今日って・・・このために?・・





彼は偶然聞いたからついでだ、と言っていたけど

私は、とても嬉しかった。






ひそかに、ささやかに

祝福してくれたその空間…

その気持ちが。




(※パーティ好きのソウタさんのテンションに
時々(?)ついていけない…などど言う意味では
決してない…)









『ありがと・・・』





ボソボソと……言ってしまった。




可愛くない・・・。




どうして私って、こうなんだろう。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ