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Best name ~ 追憶 ~

第2章 私の希望

『ところでタキガワ クンは
アイとはどういうお友達?』






〃タキガワ クン・・・?〃







無意識に私の顔がそちらに向いた。





タキガワくん・・・

この人の名前だろうか。









声にだして振り向いてしまった私を
ソウタさんが笑う。

「友人の名もしらないのか」と。






ソウタさんが…

この人と私が〃友人〃だとは……

さすがに思っていないだろう、と

なんとなくおもうけど……。








答えられずに再び顔をそらした私の前に



スッ・・・と




名刺が一枚おかれた。




その人が、ソウタさんと私に
挨拶してくれる。





□□課 : 滝川 良希









〃タキガワ リョウキ〃

と名乗ったその人。




初めて聞いた、その名前に



私の中で



〃大っきい お兄さん〃

から

〃タキガワ リョウキ さん〃




と、上書きされた。








ソウタさんとタキガワさん・・・リョウキさんが


食事をしながら会話をしていた。




私は黙って聞いていたのだけれど…



『アイとはどこで知り合ったの?』








ギグっ・・・。







ぼんやりしていた私は、ハッとする。









「男の人がコワイ」といった私……






月日は経っていても
それらは何ら変化のない私に…



〃男性の友人〃など



いるワケがない。





ソウタさんは
それをわかってて聞いているのだろう。




それもそうだけど

私は・・・

この人と知り合った場所が場所なことに

・・・焦っていた。






べつに友人の手伝いに行っただけ
それも、それきりのこと。





べつに、やましいことなどない。



成人もしているし
仮にも自立した身だから

ソウタさんはプライベートは
何も言ってこない。




けれど
夜遅くに出歩いて
夜のお店で働いていた・・・などと

お酒の席にいたのが
私だ・・・・・などと



この人の口から語られたら・・・・・



ソウタさんに

あらぬ誤解を招くのではないか…と



勝手にヒヤヒヤしてしまっていた

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