テキストサイズ

Best name ~ 追憶 ~

第2章 私の希望

気がつくと私は
病院の待ち合いのソファの上…。


〃いけない…っ〃


よろよろと起き上がる…

吐き気がのこり、クラクラとする頭で
ソウタさんの元へ急ぐ。


甘い、勝手な判断と失態を詫びた。






けれどソウタさんは
そんな私を叱責せずに労ってくれた。


営業も終わっているし食事に行こう、と…。




とてもそんな気分では……


という私に間髪入れず


『~彼と先に行ってなさい』



と、ソウタさん。







は・・・?




・・・〃彼〃・・・とは



〃ダレ〃・・・・・のこと・・・です?










ソウタさんが差す〃彼〃……



あの人だ。







そう言えば……お店にきていたのだった。



お客さんでもあるその人に
ご迷惑をかけてしまったのだから
というソウタさんに促されて

私は、その人と行きつけの店へ向かう。


……ソウタさん曰く

〃私のお友達〃

ということになっている、その人と……。







困ったな・・・。







だけど一々、抗う気力がない。

体がダルくてたまらない。



私は黙って足を進めた。






カフェで飲み物を注文して
ようやく一息ついた。





その人は、それとなく
私に気遣う声をかけてくれていた。

『体は平気か?』
『大変だったね』
『お店は大丈夫か?』

と……。



まだ体がダルく重かった私は


そんなその人の言葉さえ
テキトーに流していたように思う。



しばらくして合流したソウタさんの登場で
私はその場を完全にソウタさんに任せて
ぼんやりとしていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ