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Best name ~ 追憶 ~

第2章 私の希望

『なんだアイ?~知り合いかァ?』





・・・。






いくら私でも
お客さん相手に「え?」なんて言わない…。



おそらくそれをソウタさんは
見逃さなかったようで、そう聞いてきた。




なんて……答えよう。






私が迷ってる間に







『ぁ……チョット』







その人が控え目に肯定した。


黙っている私にソウタさんが確認してくる。


『ちがうの?』





……ちが…わない。





知らない人ではない…。




相手も私を覚えているようだし。




知り合い・・・と言えばそうなる。




『ハイ……まぁ』




だけど、どなたかは知らない。

名前も知らない。






背の高い男性…?






デッカイ男の人……?








おっきい・・・お兄さん・・

・・・・あの時、私に・・・親切にしてくれた。







・・・・・。









名前のわからないその人を
表す特徴をひろって
アタマの中でなんとなく、そう定義した。








答えた私に
ようやく納得した(?)というように

ソウタさんは、ようやく私の用件を聞いて
モコを連れて診察室へと去った。

ご案内をするように…と言い残して。






……そうだ

それは私の仕事。






なぜ、この人がここに?
と思ったけれど

ここは、お店。



いつ・どなたが来たって
何もフシギじゃない。



若い男の人が一人で・・・めずらしい


と言うか初めてだったかも知れない。





彼女・・・とかに
犬をプレゼントしたいとか?





……あまり考えずに切り替えた。





お客様だ




いつものように
ご用件を聞いて案内をした。


ペットを探してはいないのだという

なんとなく入ってしまったと。



そういうお客様は大勢いる。
それがキッカケで飼い始めることもある。



ゆっくりお店をみてもらって
私は個体のケアや世話を続けた。

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