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腐男子恋愛日常-parallel world-

第10章 ~歩の嘘~

「研磨君、ゴメン…。
研磨君を助けるには、これしか方法が思いつかなかったんだよ……本当にゴメン…。」

涙を流しながら、僕は何度も研磨君に謝る。

「歩、2人でココから逃げよう…!」

「無理だよ…。
今の僕達じゃ、真から逃げられないよ…。
逃げれたとしても、僕達どちらか片方しか…。」

「だけど、このままじゃ…!」

研磨君の体を起こして、支えながら立ち上がらせる。

「多分、両親に事情を説明して検査とかしてもらえると思う…。
上手くいけば、真を精神病院が少年院か施設に隔離してくれる筈だから…。」

『兄さーん!!
風呂沸いたよー!!』

「わかった!!」

下の階から、僕を呼ぶ真に返事をする。

「研磨君…。
お願いだから、今日のところはこのまま帰って…。」

「歩…。」

心配そうな表情で、僕を見つめる研磨君。

「大丈夫だよ
両親が帰って来たら、すぐに今日の事を言うから」

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