
密猟界
第7章 美しき獣たち
……目を開くと、白く光る壁があった。天井も眩しい光を降らせている。殺風景な、人工的な部屋はUFOの内部を思わす…。「チャンミン」裸体を鎖が後ろ手に戒め、固い椅子に座らせられていた。
顔を上げて、辺りを見まわすと独房のような空気感。両手はがっちりと椅子に縛られている格好で、裸足の蹠は温かい。 なんとか自由になろうとあがくユノ、裸体を椅子の上で、くねらせる。 鎖の音だけが、空しく響いた。「ユノ」壁に長い影を映しながら、拘禁室のような部屋に入ってくる。「チャンミン」 そばで立ち止まった長身から、ベルガモットの香りがした。
無言のまま、微かに甘いが清涼な香を漂わせる。(チャンミン)
見上げると、黒い瞳。
「チャンミン」口籠り、舌でユノは唇を舐める。 長身は微動だにしない。ユノも黙り込んだ。
やがて溜め息を吐き、ユノの前のベッドに座った。香りは薄らいでいた。
「ユノ」顔を上げる。「どうして震えてるの?」ちいさな顎に長い指先が、かけられた。「ふたりだけなのに─ユノ」 うつむく小さい顔が、引き寄せられる。目が眩んだ、頬が熱い。口の端から、細く赤い血が、ユノの頬に汗か涙かわからないものが流れる。
顔を上げて、辺りを見まわすと独房のような空気感。両手はがっちりと椅子に縛られている格好で、裸足の蹠は温かい。 なんとか自由になろうとあがくユノ、裸体を椅子の上で、くねらせる。 鎖の音だけが、空しく響いた。「ユノ」壁に長い影を映しながら、拘禁室のような部屋に入ってくる。「チャンミン」 そばで立ち止まった長身から、ベルガモットの香りがした。
無言のまま、微かに甘いが清涼な香を漂わせる。(チャンミン)
見上げると、黒い瞳。
「チャンミン」口籠り、舌でユノは唇を舐める。 長身は微動だにしない。ユノも黙り込んだ。
やがて溜め息を吐き、ユノの前のベッドに座った。香りは薄らいでいた。
「ユノ」顔を上げる。「どうして震えてるの?」ちいさな顎に長い指先が、かけられた。「ふたりだけなのに─ユノ」 うつむく小さい顔が、引き寄せられる。目が眩んだ、頬が熱い。口の端から、細く赤い血が、ユノの頬に汗か涙かわからないものが流れる。
