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密猟界

第7章 美しき獣たち

 (…?)背中を熱くシャワーが流れる。耳に被る茶いろの髪の毛を払う。滝のようなシャワー音に混じった、金属音。(気のせい…か)顔を火傷しそうな湯で、擦る。首筋まで、紅くなる。コックをひねり、シャワーを止めようとした。「ユノ」白カーテンを開け、チャンミンが顔を覗かせた。油の匂い、カーテンはボロボロに千切れ、振動する鮫の歯そっくりの刃が、全裸のユノを切り裂こうと落ちてきた。白く細長いバスタブから木目の床に転がったユノを、鮫が赤い口を開いたように、ずらりと並んだ牙が追う。(チャンミン)皮膚を熱い湯で、光らせながらユノは床を転がる。全身の筋肉が、ばねの動きで撓う。(チャンミン)振り上げられたチェーンソー、背骨を弾ませ、ユノは身体を横に転げよけた。金属音が耳をつんざく。(チャンミン)微笑み、かるがると危険な工具を振り回し…ユノはシャワー室の壁ぎわのドアから、廊下へ逃れる。走る彫刻めいた裸身をチャンミンは、不気味な機械音を響かせて頭の上にかざし、追う。いつの間にか、廊下を一巡したらしい。ユノの前をチャンミンが凶器を振りかざし、走っていた。「チャンミン!!」


 

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