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密猟界

第7章 美しき獣たち

「廻廊。僧院の感じもあったし、そうかもな」眠たげにまばたきしたユノに、「シャワー浴びてひと眠りしましょう」うなずきながらもユノは、スマホを取り出した。
 「何歩あるいたか…な」舌打ちする。「万歩計の設定失敗」スマホをテーブルに投げた。
「シャワーの準備しますね、ユノ。僕と一緒に浴びますか?」「チャンミン─」ようやく椅子から腰をあげ、「ひとりで浴びるよ」「ユノ」顔を向けた。「さっきの迷路で、壁の高いところ」「あ…?」「蜘蛛。かなり大きくて」片手を広げ「このくらいあったようです」「そんなのいたのか」「はい。スパイダーマンです」いきなりチャンミンは、片手を前にそしてもういっぽうの片手を後ろに、身体を屈ませ、「ヒーローは、孤独なんです」「俺たちは地球がステージ。スパイダーチャンミン」
 ユノも同じように屈んで、ポーズをとる。「飛行機のなかでこの映画いっしょに、見たよな?」「覚えてます、ブラジルに行く途中でした」「うん。シャワー、浴びるよ」スパイダーマンのポーズをとりながら、ユノはシャワー室に向かった。


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