
密猟界
第7章 美しき獣たち
「僕がホルダーから、落として行ったんですね」「1周したわけか」丸い玉は蓄光プラスチックらしく、小さく光った。 「こっち、行くしかないですね」「暗いな、チャンミン。気をつけろ」「ユノこそ。無理しないで─行きましょう」暗がりの道に二人は入り込む。
……「ビストロは遠いな」ユノの声が周囲の石壁に反響した。「お腹減らすに、ちょうどいいでしょう」朗らかな声で、チャンミンがこたえる。……………………………
「チャンミン…」「1周しちゃいましたね、また」何か云いかけたユノに、地面をチャンミンは指した。「僕たちの足跡。それと─」光る小さい丸い玉を、地面から手のひらに載せる。「目印に、置いていったんです」
溜め息を吐いたユノに、「疲れました?」笑顔でチャンミンは、ユノの肩に手をやり、「今度も1時間、歩きましたからね」「チャンミン」「ユノ。大丈夫です、出られるところ、あります」
二又の道の脇のようやく、ひとり通れる隙間に入り込んでチャンミンは、ユノを手招く。「ここです」足元から、急斜面に彫られたような幅の狭い石段が、真下へ伸びていた。「どうにか、降りられそうだな」
……「ビストロは遠いな」ユノの声が周囲の石壁に反響した。「お腹減らすに、ちょうどいいでしょう」朗らかな声で、チャンミンがこたえる。……………………………
「チャンミン…」「1周しちゃいましたね、また」何か云いかけたユノに、地面をチャンミンは指した。「僕たちの足跡。それと─」光る小さい丸い玉を、地面から手のひらに載せる。「目印に、置いていったんです」
溜め息を吐いたユノに、「疲れました?」笑顔でチャンミンは、ユノの肩に手をやり、「今度も1時間、歩きましたからね」「チャンミン」「ユノ。大丈夫です、出られるところ、あります」
二又の道の脇のようやく、ひとり通れる隙間に入り込んでチャンミンは、ユノを手招く。「ここです」足元から、急斜面に彫られたような幅の狭い石段が、真下へ伸びていた。「どうにか、降りられそうだな」
