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密猟界

第7章 美しき獣たち

 二人はリュックを背負い、歩き出した。「ここまでは、来たな」「はい。…また階段…僕もここからは、初めての道です」アーチを、くぐった先の階段を、登る─。
「いよいよ、帰れるな」「久しぶりに外、出ますね」並んで歩くには、狭い。「ユノ。─ゆっくり行きましょう」チャンミンが先に立って、ユノを振り返る。「ああ…チャンミン。お前も気をつけろ?」ひんやりした空気。ほの暗い空間に、響くユノの声。
 階段は長い。だらだらと続き、次第に狭くなってきた。石壁が両脇から迫る。
 気がつくと、足元はなだらかな坂になっていた。辺りは暗さが増した…ユノは先ほどの天窓の青空を、チャンミンの頭越しに探す。
 坂は曲がり、そこで道は二つに別れていた。
「ユノ」「チャンミン─?」立ち止まり、ふたりは薄暗いなか、顔を見あわせる。
 …どこかで小石でも転がり落ちたのか、ダイヤモンドがぶつかり合うような、乾いた音が聴こえてきた。





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