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密猟界

第2章 雨の外へ…

 「ユノ…喉は平気なんですか」「うん─。冷えてるの美味いね…」カフェ・オレを白いポットからユノは、また注いだ。「ヒーターは寝るとき止めて、シャワーのドアは開けときましょう。乾燥しそうです」「チャンミン」「はい」「ベッド…ふたりで寝るには、狭い」「ベッドにはユノが寝てください」「お前はどうする」「廊下の端のベンチ運んで、それで寝ますよ」丸テーブルの上の食器を手際よく片し、「先にシャワー浴びて眠ってください、ユノを風邪ひかせたくないんです」 シャワーのドアを開けて、中のライトも点けた。



 シャワーのあとの髪の雫を、チャンミンがユノの背中にまわって、後ろから厚手のタオルで、ぬぐう。
 ベッドのすぐそばにベンチが並べてある。毛布やクッション、タオルケットで急拵えの簡易ベッドになっていた。「─こっちの、ベッドのが…寝やすそうな気がする…な─」「僕もゆっくり寝めそうです」笑って、チャンミンはベッドの毛布を捲り上げて、ユノを促した。「運ぶの、重くなかったか」シーツと毛布とのあいだに、シャワーを浴びたばかりの温まった身体を入れた。

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