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密猟界

第2章 雨の外へ…

 無言のユノ…。「中の部屋へいきましょう。ここは天井が高いから、夜は冷えそうだし、だだっ広いから…落ち着かない」チャンミンはユノの脇の下に掌を入れ、「立てます? 脚は痛まない?」 ユノを気遣いながら、説教壇の奥、アーチ型にくり貫かれたような木のドアを開け、「真っ暗ですね。洞窟…トンネルみたいで─」幅の狭い入り口に、ユノを引き入れるようにして、中の暗がりに二人は入り込んだ。



 ──チャンミンが壁を探り、灯りのスイッチを入れた。
ため息を吐き、ユノが手近な椅子に腰を下ろす。
 ユースホステルのような部屋。ベッドとロッカー、丸テーブル。簡素な家具と小じんまりした室内。灯りの色合いは、柔らかい。
 チャンミンはロッカーに、二人のリュックやコートを入れ、「部屋すこし温めましょう」ヒーターの風を出した。「ホテルには電話しました。夕食摂って、早く寝ましょう。シャワーはそのドアの向こうです」「夕食…?」「今持ってきます。ユノはシャワー使って…」「チャンミン」「はい」「お前、……」
 「ユノ。お腹すいてるんでしょう?」肩にそっと触れる。「持ってきます。二人分の夕食。…すぐ食べましょう」

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