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密猟界

第2章 雨の外へ…

 チャンミンの歌は、バラード─ロック・バラードに、変わっていた。
 ……先程まで、濡れ歩いていた降りしきる雨を、思い起こさせる歌だった──。
 クスクスッと、不意に笑う声が聴こえて、きた。「チャンミン? ……」
 「ハイ?」ユノのすぐ後ろで、声が、した。
 「おまえ、─チャンミン…?…」「はい」チャンミンは全くの無表情。ユノは、おどおどした顔になって、チャンミンを、見上げる。
 礼拝堂の壁の大天使たちの周りを翔ぶ、ちいさなエンジェルたちが、頬づえをついて、そんな二人の様子を、愉快そうに眺めていた。
 黙ったままのチャンミンに、ユノもつられたように黙り込んでしまう。
 秋のはじめの空のいろをした、ブランケットくらいの大きなタオルを、チャンミンは、 片腕に掛けている。
 長椅子に大きなタオルを置き、やはり、黙ったままでチャンミンは、ユノの濃紺のストライプのシャツを脱がせはじめる──その下は、黒のタンクトップだった。「チャンミン…。ここは、教会、だから」


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