
密猟界
第2章 雨の外へ…
…ユノの言葉を聞いているのか、いないのか、やはり相変わらず黙ったままチャンミン。
剥き出しの肩を、「風邪ひくじゃないですか…ユノ」タオルでくるむ。
「ありがと…う」ぎこちなくそう云い、タオルの前を掻き合わせた。
「─震えてるじゃないですか」タオルの端を掴むようにしている、ユノの指先を包み込み、開いた薔薇の花弁色の唇を押し当てた。柔らかい、温かな血の通いをユノは指先に感じる。
「─寒いの? …ユノ…ユノ…?」髪を優しい仕草でチャンミンは撫で上げてやった。雨が濡らして、明るい茶の髪いろはやや濃い色に、変わっている。
俯き加減だったユノが、「そろそろ、お暇しよう、チャンミン。ホテル戻ろう─」「帰さない」 顔を上げたユノの肩を腕をとらえ、「帰さない」……純朴な瞳を、見据えた。
「帰さない…って」抱きすくめられ、言葉は途切れた。
タオルにくるまれたままのユノの身体を、軽々と抱き、礼拝堂のさらに奥へと、運び入れた。
床に静かにユノを下ろし、横たわらせる。身体に纏わるタオルを、床の上に広げた。
剥き出しの肩を、「風邪ひくじゃないですか…ユノ」タオルでくるむ。
「ありがと…う」ぎこちなくそう云い、タオルの前を掻き合わせた。
「─震えてるじゃないですか」タオルの端を掴むようにしている、ユノの指先を包み込み、開いた薔薇の花弁色の唇を押し当てた。柔らかい、温かな血の通いをユノは指先に感じる。
「─寒いの? …ユノ…ユノ…?」髪を優しい仕草でチャンミンは撫で上げてやった。雨が濡らして、明るい茶の髪いろはやや濃い色に、変わっている。
俯き加減だったユノが、「そろそろ、お暇しよう、チャンミン。ホテル戻ろう─」「帰さない」 顔を上げたユノの肩を腕をとらえ、「帰さない」……純朴な瞳を、見据えた。
「帰さない…って」抱きすくめられ、言葉は途切れた。
タオルにくるまれたままのユノの身体を、軽々と抱き、礼拝堂のさらに奥へと、運び入れた。
床に静かにユノを下ろし、横たわらせる。身体に纏わるタオルを、床の上に広げた。
