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密猟界

第2章 雨の外へ…

「はい?」カップを長椅子に、ユノは、そっと置いた。「…うん─。教会は、喫茶室じゃないから─ね…?」「はい」「そう…、で─休憩所でもないんだよね」─黙って俯いてしまうチャンミン。 「まぁ…それはそうとさっきの女の…」「ユノ。僕たち二人は」目をユノは見開く。「あ。…何─かな?」「迷える子羊です」「そう─ね」「しかも雨にびっしょり濡れて」「あぁ…冷たい雨だった」「そのうえユノが足痛めた」「だから、暫くしたら、お暇しよう。…チャンミンは─、どう…?」空のカップとクッキー皿を盆に載せ、「片付けしますよ」「チャンミン。有難う…あの─女性にもお礼云って…」「女も男も、誰もいませんよ。ユノ。この教会」





 ……歌いながら、ティー・セットを洗っているチャンミンの歌声を聴いている。歌は古いダンス・ミュージックを、歌っている。
 「誰も…いない─?」ユノの低い呟き声が、教会内に重く響いた。

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