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これを恋とは呼べない♥

第2章 興味が湧いたとかそんなわけない

俺は今、クラスの女子を観察している。

と言っても、そんなイヤラシイ目で見てる訳じゃない。


「どいつもこいつも普通だなぁ…。」



兄弟達がみんなホモだと分かってしまった日から、なんだかみんな俺にベッタリなわけでして。

彼女をつくれば、それもなくなるんじゃ…と思い、可愛い子を探しているのだ。


この際、俺に少しでも気があればそれでいいんだよなぁ。ちゃんと好きになるし、ちゃんと愛すし。

最低だなぁと自分を罵りながら、クラスの女子を順に見ていく。




さっきからチラチラこっち見てる女子がいるんだけど…。

そう思い、その子をじっと見ていると、視線に気付いたのか周りを気にしながら俺に近付いてきた。


メガネにお下げ髪のこの子は、確か吉田さんだったはず。
いかにも真面目そうな雰囲気で、友達とはしゃいだりするのが苦手そうな子だ。


「あのっ…早瀬くん、数学のノート提出だから…えと、提出できる時っ声、かけてくださいっ。」

か細い声でそういう吉田さんの顔は真っ赤だ。

これはチャンス!!


「あ、ごめんね、わざわざ。もうすぐ提出できると思うから、その後一緒に持って行こっか。」

ニコリと笑うと、はいっ、と吉田さんもニコリと笑った。



いい雰囲気だ!これはいける…!



なんて思ったのもつかの間。

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