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第30章 それぞれの、生きる場所…

『バレンタイン…っつーから…てっきり』

『?…ぅん』


決して…欲をかいたのではないぞ?

欲をかいたのではない

・・・んだが、オレは

気になってた事があったから…聞いてみた










『〃チョコ〃…じゃ・・・ないのな?』




ちょっとフザけて・・・



『……』


ぴくん…っ



アイルが肩を少し震わせた

あ…コレ、マズイ?



いや…違うぞ?!

欲張ってるんじゃないんだ
不満なワケもないんだ

そうじゃなくて…



『チョコ…?』



モジモジ…しょぼ~ん…



どっちだよ?!ソレ


みたいなアイルの表情(カオ)。


だけどオレ
見てしまったんだな…

アイルが
チョコらしき材料買ってきてたの

たまたま…見てたんだな……オレ。



オレのために
半同棲状態を続けてくれてる

つまり、お互いの

アイルの生活の様子も
否応なしに見てるワケだから

同じ家の中で
隠したとしても限界もあったりと


『チョコが……いいの?』



上目遣い・・・~たまらん



『いや……そうじゃなくてな』




見ちまっただけだ



『・・・ほしいの?』



アイルの表情から感情を読み解く

…オレはすっかり上級者だと思う(笑)



『いや…?』

『いらないなら・・・あげない』



この表情は……?



『あるの?(笑)』

『……ない』



ウソつけオマエ~~(笑)



何か言いたいけど、言いたくない
って表情(カオ)だ…(笑)



よし…。ツッこんでよしだな?

コレは……GOサインだ


『ほしいって言ったらくれんの?(笑)』

『・・・』


作ったけど失敗した?

~それもちと考えにくい


はてさて・・・


『ふ~ん…ちょっと
ちょ~っとだけ期待してたけどなっ…(笑)』

『……』

アイルがキッチンの棚の方に
トボトボと移動…
何かを後ろに隠して戻ってくる

…やっぱり(笑)

でも、なんでだよ?

照れたのか?~…なんて

『ん?なんだよアイル…(笑)』

ニヤニヤ…ワクワクして…待つ

『ゃ…いい…やっぱ』

テレるコトないだろ~?♪

『な~にっ…隠してっ…るっ!?』

アイルの背中を覗こうと近づく

『み~せ~ろっ♪』





『・・・たくさんあるもの

いらないじゃない・・・』

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