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第30章 それぞれの、生きる場所…

おかげでオレはスタミナもつき
体も少しずつ出来上がってきた


ハードなことに変わりはないが
そんな生活に徐々に慣れつつあった


先輩の会社内の試合になると
あくまで現役選手の練習相手…



無観客

アイルは少ししょぼくれてたけど
試合に出れるようになった事を
喜んでくれていた










そんなある時のこと・・・


『タキガワ~…』



ダイチ先輩に呼ばれる





『差し入れ♪』



『?……はぁ
どうも・・・すみません…?』




……誰から?









『……小さな美人マネから?(笑)』




『?』






:
:
:



『あの……マツオカさん?』


『お?アイルちゃん
しばらくだね!~タキガワなら・・・』


『いぇっ……違うんです
あの…これ、よろしければ皆さんで
あと、こっちはマツオカさんのご家族で…』


アイルが手土産を渡す



『え? ~わざわざ、ありがとう
…いいのか?こんなに

それに~タキガワ
この所ずっと休みもふさがってるだろ?
すまないね…』



『え?…いや…そんなこと…っ
それよりも…マツオカさんが

ずっと付きっきりで練習を
見て下さってたって……彼から聞いて

ご家族もいらっしゃるのに
お休みを返上して

こちらこそ…ありがとうございます』



『君・・・』



『本当に…ありがとうございます
お忙しい所、おじゃましました
失礼します』



:
:
:


『だ、そうだ♪』



オレの知らぬ間に
そんなこともあったり



……マジかよっ…。




『優秀なマネ付けてたとはナァ♪リョウキ
調子も良いワケだ・・・(笑)』


『いや…その~~。……ハイ』


『プッ・・・』



それは……間違いないんだ、きっと




『ぁ~……先輩、アイツは?…』



『あぁ、止めたんだけど…すまない
挨拶に来ただけだって…すぐに
~もう上がれ?まだ近くにいるだろうから』


『いや…でも』



『いいから、今日はもう上がれ♪
たまにはマネ孝行しとけ♪』

『~~……』




『デキる嫁はちがうなぁリョーキ♪』


『……(汗)』



観戦できない試合に駆けつけて
先輩に挨拶に来てただなんて


アイルはオレの周りにも
細かな気配りを忘れなかった


オレは驚いてばかりいた

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