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第27章 嫉妬

『じゃあ・・・わるいけど行ってくれ?

オレもまだカイトと話したいんだ』



『・・・う…ん』







カイトと二人…

アイルの部屋のドアが閉まるのを確かめる





・・・気まずいどころじゃなかったが




結果的に

アイルが歯止めになってくれて助かった




オレも…やっと冷静になれそうに・・・





『場所・・・変えるか?

寒いしな… … … ・・・カイト?』








『~~っ…ゴホ・・・ゴホ・・・ゴホ』








〃・・・え?〃




この寒いのに

カイトの額は汗ばんで…

胸をかきむしるようにして膝をついた






『・・・カイト!?

おいっ・・・・・・どうした!?』







『~~っ!!・・・っっ…』



胸を押さえてカイトがうずくまる





〃…まさか・・・まさか

・・・・・コイツ…〃








『救急車・・・っ』



すぐさまスマホを出して

ダイヤルを押そうとするオレの手を

カイトがわしづかみにした







『~~・・・なんでも・・・ない…』



『あるだろ・・・っ!?』






手を振り払おうとするオレをよそに
カイトがポケットから
小さなケースを取り出す




〃薬・・・?〃




薬を口に放り込んでいる




『…ハァ…ハァ・・・ようある…コトやから』




『…カイト・・・お前、まさか』





〃治ったなんて、ウソだったんじゃ…〃







『ハァ・・・言わんといてや・・・?』



『え・・・』





『アイツに・・・

アイルに・・・言わんといてくれ…』



『・・・』




戸惑うオレに…カイトは念を押す









『っハァ・・・アイルにっ・・・

…ゴホっ・・・言うなっ・・・絶対に…っ

言うたら…っ・・・・・殺す…っ…!』







『カイト・・・・・』





オレは何も出来ず

何も言えないまま

カイトの発作がおさまるのを待った






再びベンチに座る











『ハァ … … オレ・・・もう アカン』









『は・・・?』





〃アカン・・・・・って?〃







『わかるんや・・・』




『…何言ってんだお前・・・

意味・・・・・わかんね・・・』

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