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第27章 嫉妬

『お~~さむっ!
かなわんナァ!
リョウキよう平気やな?!
あ、酒入ってる?』


『・・・』


『~あ~…アカン!
オレもちぃと飲んで帰ろかな?
ほんならオレこっち…』



うまく…はぐらかすように喋って
無言のオレから離れるように

同じ道を避けようとしてるかのように見える
カイトを…肩を掴んで止めた





『…待てよ』


『?なんや…飲み直す?
なら一緒にどう?
カワイイ子いる店でも連れてってや~♪
あ、でも明日アイツと会うんやっけ?』


『……』




・・・キャラも

表情も崩さないコイツは…

一体どこまでが〃素〃なんだ?



そのペースに…のまれるワケにはいかない


話を…はぐらかすんじゃねぇよ


その手には…のらない









『カイト
少し・・・わきまえてくれないか?』







『…?』



『アイルは…もう
小学生や中学生じゃない

お前の知る…
〃幼い子ども〃じゃないんだ

いくら〃幼馴染〃でも
深夜に…家に来るような事は
控えてほしい』



血の繋がった兄妹でも
身内でもない…。

アイルが一人ならともかく
アイルには相手が

オレがいるんだから
それは…やっぱりオカシイってモンだろ




『~…。ん、わかった。すまん』


表情を崩さずに
あっさりと謝るカイト


オレはそれ以上は言わずに
そのまま立ち去ろうとするが…


『ほんでも
アイツの言うたことはホンマやで?
疑わんといたってや?』



『…疑ってなんか、いないよ』

〃アイルが…ウソなんか
つかないことはわかっている〃




『喋るの下手なヤツやからなぁ~!
誤解招きやすいトコあるけどな!
嘘は…つかんから!』



〃なぜ…お前に
そんな事を言われなきゃならない?…〃


猛烈にイライラしてくる
早く、この場を去りたかった



『あ…ほんでもひとつ…ウソついてる…』


『・・・なに…?』



去ろうとした足を止める



『…ウソっちゅーか
〃言うてない〃だけ

ウソついたんはオレや!
具合悪いから送ったんとちゃう

あの…客の男にからまれておった…
そこにオレ…たまたま通りかかったんや』




『なん・・・だって!?』



ギョッとして
ぐるりとアイルの家の方に体を向けて

走り出そうとするオレを
カイトが肩を掴んで止める

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