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第27章 嫉妬

首元をギュっと隠すアイルを見て
カイトが我に返る。




『・・・わかった。

アイル…わかったから、すまん…』





『~~~っ・・・』



カイトがアイルの握りしめるストールを
巻き直しながらアイルに語りかける






『アイル…?ほんでもな
アカンもんは・・・アカンで?

そら、何も・・・
お前に暴力振るったとか
そんなんとちゃうくてもな…?

何でも、ただ
許してたらエエ訳やないで?

現にお前、困ってたんやろ…?
せやし・・・こないに隠して…。

アイルは…やめて欲しかったんやろ?
ちがうか・・・?』





『~~・・・』







『この前・・・遅刻したんも

何や…関係あるんとちゃうんか・・・?』





『・・・』






『なんぼ・・・大事な彼氏でも

イヤなことはイヤて…言わなアカン
ソイツが大事なら尚更や…。

相手も
お前の困る事や嫌がる事はしたらアカン
当たり前の事や…。

一方的な気持ちなんて
そんなん・・・

愛情でもなんでもないで…!?』




カイトが少し語気を強めた



アイルがようやく言葉を返す






『わかってる…。けど…わからないの…』




『?・・・』





『何か理由があるハズだ
・・・って…思ったから

でも…どうしてもそれがわからない。
私のせいじゃないって…言うけど…』




『…お前リョウキに聞いたんや?

答えんかったんや?アイツ・・・』





『?・・・うん。』




『ふふ・・・ま、そら…そうやろな』





『え?…どういうこと、カイト…』




疑問符だらけのアイルに答えずにカイトは
ため息交じりに少し笑った




『フ~…アイル・・・

さっきはホンマに悪かったな…?』




カイトがアイルの
めくれた服の袖や裾を整える




アイルが〃ううん〃と首を振った




『お前を・・・
いつまでもガキや思うて…

ハハ…なんや
つい・・・チビのお前の

ビービー泣いてたんばっか
思い出してもうてな…つい。

よう転んでは泣き~…
笑うた思えば

またズッコケて泣き~…
ホンマ忙しいヤツで

素直で…カワイイ・・・チビやった。

・・・可愛い〃妹〃やったで…?』





カイトが
懐かしむように遠くを見つめ

アイルを見つめ
少し微笑んだ

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