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第27章 嫉妬

『~あ、構わんとき?すぐ行くしな。
それよりお前、はよ休み?』

ティーカップを取り出すアイルを
カイトが止める

『でも…寒かったでしょ
あったかいお茶くらい、のんでよ…』


『…ほんなら。

…あ、アイル?今日のこと
ソウ兄に言うとくで?

別に~ヘンに言わん
オレの居ななった後ん事も考えて
一応言うだけやし

上手いこと言うとく。
心配あらへんし、な?』



『う・・・ん…』


〃カイトは
もうすぐニューヨークに戻ってしまう〃



"いなくなった後"・・・

カイトの言葉が心に刺さり

アイルが切ない顔をする。




『…クス。なんや?言うてみ…』


『…カイトに
もうすぐ会えなくなる・・・って
出発の日…決まってるの…?』


『ん~まぁ、あと10日はいてるし
結構、日ぃあるやろ?』


『…。決まったら、教えてね?
今度は・・・見送りに行くから…』


『ハハッ…わぁーった、わぁーった♪』


『…ほんとにだよっ!?…だって…もう』



『…~アホ。
生きとったら、いつでも会えるやろ?
そんな顔すんな

お前も、ちっとは
オトナなったみたいやしな?
オレ安心したで?

そのうちニューヨーク来たらエエやん?
リョウキと…』


『…うん』

『?なんや…』

『……あの
リョウキに言わないで?…さっきのこと』



カイトが一瞬顔をしかめる



『・・・。

あぁ・・・ほんでも、なんでや?
リョウキだって心配しとったやろ

安心させたるためにも
言わんっておかしぃないか?』




『・・・リョウキ…心配症だから…』




『…ホンマにそれだけ?』


『…ぇ?』



『~ま…エエわ
ほんでもオマエ…やっぱ風邪か?
喉でも痛いんか?』


部屋着に着替えたアイルが

パーカーの上から
首にストールを巻いているのをみて
カイトが問う

…さすがに不自然だと内心感じながら


『え…うん。まぁ』


『~ほんならはよ休みぃ
オレもう行くで?

~こないな巻いて…苦しいやろ?
かえって悪いんちゃうか~

ぎょーさん食べて
あったくして寝るんが一番~…』



カイトが何の気なしに…さりげに
アイルのストールを引っ張った


アイルがとっさに声を上げる

『…あっ…!』



『…?…ぇ』


カイトが
露になったアイルの首を見て
目を見開いた

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