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第27章 嫉妬

『ハイ・ハイ~~!!

そこまでそこまで~~!!!』






〃・・・?!〃


震えながら
必死に抵抗するアイルの耳に
大きな声が聞こえてきた





『そこまででっせ~~?

・・・。・・・。

そのへんに・・・してもらえまへんか?』







『!?……お前』



『・・・ケホ』


〃え・・・〃








アイルの視線の先には

カイトが立っていた。






〃…カイト・・・?〃





カイトが
余裕さえ感じる笑みも浮かべながら
歩み寄ってきて
アイルをニシノから引き剥がした





『あ~あ~・・・アカンアカン~…
コイツ、嫌がってますやん~・・・

店ん中は許せても…外でまで
そうワガママ言うたらアカンですわ
〃お客さん〃~?・・・』






『……お前
チッ・・・そういうことかよっ
やってらんねーぜ…』



逃げるように立ち去ろうとするニシノは

誤解しているようだが

カイトはそれも利用して、たたみにかかる




『あ、ちょい待ったって?
もう、こないな事しまへんよね?!

~もちろんしないやんな?
約束してこのまま引いてもらえたら

こっちも大事にはしませんから
たのんますわ!』




カイトは巧みに言葉を操って

挑発せず、逆上させず…

絶妙に心理戦を仕掛ける




『コイツも…大事なお客さんを

警察に突き出すようなマネは
したないハズやし望んでない

アンタみたいなエリートはんなら
勿論わかりますやんな?』





そして最後に
ニシノに何やら耳打ちすると



青ざめた顔をして
ニシノは立ち去った。





『まいどあり~♪』



カイトがニヤリと笑って手を振る。









『っしゃ…。一丁上がりや!(笑)』


そして
力なく座り込むアイルの前にしゃがんだ




『・・・海翔…。海翔…。カイ…ト』


アイルの目に涙がたまっていく


カイトは笑顔でアイルの頭に手をのせた






『~ま、滑り込みセーフやな?』




カイトがニカッと笑ってみせる。






『…カイト…ど…して?』



『ホンマにたまたま
プラっと外に出てん

したらお前の声きこえたんや…
ほんでも…よかったわ~…』





『~~…』


アイルが安心しきったかのように
そのまま座り込んでいた

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