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第27章 嫉妬

アイルを連れて帰り道を歩く


『…大丈夫か?…具合悪い?』

『ぇ?…ううん。そんなことないよ』




『……そうか』

『・・・』




『でもさ…珍しいな?
男一人の客とか初めてみた

さっきの…最後のお客さん?
いるんだな…』



『え?あぁ、先週・・・くらいかな
お店の前で声かけられて
お店気に入ってくれて、それから…』



『・・・。へぇ』



『西野さんていうんだけど…
子犬が欲しいって言っててね

それが、こだわりが強いみたいで…
種類に色にって、細かく注文きてるの

色々当たってみてるんだけど…中々』



『そうだったんだ…?
珍しくアイルも苦戦?♪』



『ふふ…まぁ、そんなとこ
でも希望してる子みつけたいから頑張る
大切に・・・してほしいから』



『ふふ…そっか
良い子見つかって
喜んでもらえるといいな』



『うん』


アイルが、くしゃっと笑った





『しかし・・・~男一人で犬探しかぁ

変わってんな・・・?』



『ふふ、…でもさ?
リョウキもそうだったじゃない?
今思えば・・・』



『へ・・・?』



『・・・いちばん…初め。

ふふ…~だから
珍しくもないのかなぁなんて

私は思ってたけど…』




げ;・・・そうだったな



ニガイ思い出・・・

いや

甘い思い出か?(笑)




少し顔を赤くするアイルに
オレも照れてしまう



『~オ…オレは ;

アイルにつられて入ったんだよ』



『えっ・・・?』



『ジョーダン♪(ホントだけどな…)

さっきの人も…

ご希望の種類はアイルだったりして?(笑)』



『…。…。』



『~…クス・・・ジョーダン…』



と、言い終わろうとした時…


アイルが突然


ガクガク!っと・・・震えた…?





両手でオレの腕に
キュっとしがみついてきた



手が・・・少し震えてる


『…アイル?…どした?』

『…っ…ううん…なんでもない』



『…さむいの?』

『……うん。少し』

オレはアイルと手を繋いで
そのまま繋いだ手を自分のコートのポケットに
入れて歩いた

アイルの震えはおさまってきた

『……あったかい』

『~毎日寒すぎだもんな…
あったかいモンでも食べるか?』

『…ん』

アイルの小さい手を握り直して歩く

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