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第26章 海を翔けて

『ホンマですか!(笑)

あ~…敬語
できたらやめません~?

オレんことも
呼び捨てにしてくれたらエエし』





『クス…。あぁ・・・いいよ』





アイルの兄貴
と名乗ったその男は

初めに与える印象とは、また違う
律儀で人懐こい憎めないやつだった




アイルとソウタさんもそうだが



アイルを取り巻く人達の人柄は

どことなく

似たものがある



『ホンマ!?えかったぁ~!
どーもオレ固いの苦手でキンチョーしててん!
改めてよろしゅう!』


『こちらこそ。~でも今回は何でまた?』




随分と突然で
アイルにも連絡もなかったようだし



『あー…まぁ、たまたま
ソウ兄に連絡したタイミング
ってのもあってんけど
まぁ・・・たまたまやな』



『ふ~ん・・・そっか』



〃?…なんか・・・濁されたような〃




『おーい!リョウキ!カイト!

早く行くぞー!!!』



ソウタさんの行きつけの店に皆で集まる






カイトと対面したマナさんが駆け寄る。


『カイト~?!
やだ~~おっきくなって~!』



『おう、マナネエ~~!
相変わらず色っぽいナァ♪!?

…マナネエってか
もうマナバァかぁ!?(笑)』




『なんだとこのガキぃ~~!!!』




『ブッ!ほんのギャグやん~
アンタが一番美人やでぇ~♪』



その場に笑いをもたらしながら
マナさんとカイトがハグしていた



『ところでカイト、どうして…
もうずっとこっちにいられるの?お仕事?』



『いや…1ヶ月かそこら
まぁ年内には戻るわ』


カイトがアイルとマナさんの質問に
交互に答えている



『でもさぁ!日本にいるんだし!
会いやすくなるよね!!?』



『ん~、いや、ニューヨーク戻るで?』




『えっ・・・』


アイルの顔が
一気に曇ったのにオレは気づいた


すごく・・・悲しそうな顔をして



『まぁ…その前のイイ機会やから
ソウ兄に連絡して寄ったんや!!

っちゅーワケで!
ソウ兄んトコにしばらく居候するんで

皆々様よろしゅうお願いします~!』





・・・なんか


そういうことらしい。


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